大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(ネ)663号・昭33年(ネ)664号 判決

第一審原告と第一審被告との間の本件売買契約が昭和三十年六月十六日双方の合意によつて解除されたことは原判決説示のとおりである。そうして契約の合意解除はこれにより契約当事者双方の関係を白紙に戻し最初から契約がなかつたことと同一の効果を生じさせようとするものであるから、もし契約不履行による損害賠償請求権を解除後に行使しようとするような場合には合意解除の際特にその点についてなんらか言及するはずであり、その点についてなんら触れるところなく無条件で合意解除をした場合には、これと同時に既に生じた損害賠償請求権を放棄する意思表示があつたものと推認すべきところ、本件においては第一審被告の損害賠償請求権につき合意解除の際留保ないし特約があつたことを認むべきなんらの証拠もないから、仮に第一審被告にその主張のような損害賠償債権があつたとしても契約の合意解除の際放棄されたものと推認すべく、これを以て第一審原告に対する代金返還債務と相殺する旨の第一審被告の抗弁は理由がない。

(川喜多 小沢 位野木)

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